年 ワシリー・カンディンスキー画家美術理論家 年

年ロシアのウファで生まれたワシリー・カンディンスキーは単なる画家ではなく抽象絵画の先駆者として美術界に名を刻むことになる彼の人生は芸術的な探求と自己発見の物語そのものでありその道のりには多くの波乱が待ち受けていた

若き日カンディンスキーはモスクワ大学で法学を学んでいたがアートへの情熱は彼を引き寄せたそれにもかかわらず法律を選んだことで彼自身も疑問を抱いていたかもしれないやがて歳にして初めて本格的に絵画を学び始めるロシア革命という激動の時代とともに自身の内なる声に従う決意が固まったようだ

年彼はモスクワで芸術学校シュターデル設立にも関与し新しい世代のアーティストたちへ影響力を持つ人物となったしかしその後ドイツへ移住したことによって新たな芸術運動青騎士の一員として活動する機会が訪れるこの決断は美術史上重要な転機となったと言える

年頃からカンディンスキーは抽象画へと移行し色と形を通じて感情や精神性を表現する方法論を探求していくしかしこの革新的な試みには多くの批判も伴いその中でも特に保守的な観点から厳しい非難が寄せられたことだろうそれにもかかわらず彼は自ら信じる道を貫き続け美術理論書点・線・面を書くことでその思想体系を確立させる

年代初頭にはバウハウスで教鞭を執り多くの学生たちに影響力ある指導者として尊敬されるようになったこの学校で教えながら自身も創作活動に没頭し続け多様なスタイルや技法を実験したその姿勢こそがカンディンスキー自身だった新しい可能性への挑戦だったしかしこの幸福感とは裏腹にその後訪れる第二次世界大戦という暗雲も忘れてはいけない

年フランス・パリでこの巨星は静かに息を引き取ったその死去の日まで活動的であった彼の日死後すぐさま評価されるようになり多くの展覧会や研究書が登場したことからおそらく他者との交流によって自分自身とも向き合う時間があったのであろうそして今ではその作品や理論によって現代美術への基礎となっていることも皮肉と言える

現在でもカンディンスキーとその遺産について議論され続けており多様な解釈が存在する年この偉大なる芸術家への再評価ブームも起こり新たな世代によって生誕周年記念展なども開催され大衆から再び注目される結果となっているそれにもかかわらず美術館やギャラリーでは不完全燃焼だった作品たちについて語られ続けているそれこそ生涯ひとつひとつ丁寧につくられてきた彼自身だからなのだろう