グラハム・ハンコック 時間を超えた探求者

年イギリスのエディンバラで生まれたグラハム・ハンコックは幼少期から歴史と神秘に魅了されていた彼の父親は軍人でありその影響で家族は様な国を転としたこの移動生活が彼に異文化や古代文明への興味を抱かせるきっかけとなったしかし大学での学びでは物理学と社会人類学を選ぶものの彼自身が求めていたものとは何かが分からないままだった

大学卒業後ジャーナリストとしてキャリアをスタートさせた彼はその後数年間新聞や雑誌で記事を書き続けた皮肉なことにこの頃は自らの心の奥底にある探求心と向き合う時間が持てずにいたそれでも一度その道に足を踏み入れれば自身の運命が大きく変わることになる

年代初頭ふとしたことで訪れたエジプトのピラミッドが運命的な出会いとなり新たな旅立ちへと導くことになる古代文明への好奇心が芽生え始めそれによって失われた文明に関する研究を始めるこの時期おそらく彼は何故人類はこんなにも多くの謎に包まれているのかと考えながら不思議な探究心を抱いていたことでしょう

年には幻の都市アトランティスという著書を発表し一躍注目される存在となったしかしこの作品には賛否両論あり多くの批判も受け取ったそれにもかかわらずその内容には人への挑戦的な問いかけが潜んでおりもし本当にアトランティスという文明が存在していたならばという疑問はいまだ多くの人を魅了し続けているそしてこの本こそが彼自身を象徴するスタイル歴史的事実だけではなく伝説や神話も交えながら新しい視点から世界を見る力でもあった

続いて年失われた知恵という著書も発表するこの本では古代文明によって持ち込まれた知恵や技術について考察し人間社会における進化について迫るしかしながらこのアプローチには懐疑的な声も根強かった現代科学では証明できないといった反論も多かったものですとはいえその挑戦精神ゆえに多くの場合歴史家や考古学者との激しい論争にも巻き込まれていった

また有名になればなるほどメディア露出も増加し陰謀論者としてレッテル貼りされる一方で多数派とは異なる見解から新しい知識体系への扉を開こうともしたその中でもっとも顕著なのはマインド・オブ・アトランティスという作品ですこの本では神話的要素と哲学的視点から真実を追求しようとしているしかしそれにも関わらず多くの場合その試みすら誤解されてしまうこともしばしばだったでしょう

一方サピエンス全史など他者によって提出された現代社会観との接触によっておそらく彼自身も影響されつつあったと思います時折自身の記事やインタビューではその矛盾した立場について苦悩する様子もうかがえるためだまた過去を再構築する行為そのもの自体とても危険だとも感じているようだったしかしそれでもなお真実探求への情熱は衰えることなく続いていました

年代になり多数回テレビ番組にも出演しその中でも特筆すべきなのは秘境・不可思議世界シリーズだこのシリーズでは古代遺跡や未解決事件など独自視点から掘り下げ日本でも放映されたことで更なるファン層拡大につながりましたその瞬間ご存じない方へ新しい視野とも言える情報提供へ力強い声掛けともなるでしょうただテレビ映像だけでは伝わりづらかった深遠さがありますそう思う方こそ再び書籍へ戻って読んでもいいと思いますよね

皮肉と現代とのつながり

(ここまで振り返ってみれば) 過去年以上彼はいろんな批判にもさらされながら自身信じて突き進んできましたそして今日多くの場合過去の理解なしには未来を見ることすら難しくなると言われていますそれゆえに今なおグラハム・ハンコックこそ必要なのですしかし不思議なのは現代社会ニーズとして未解決事案例えば失われつつある土着文化なんかより注目されていますので皮肉ですね そして現在本書籍出版された場合(一般読者向け)これほどヒットすると予想します時折孤独感だとか違和感感じたりしてません そんな意味合いある作品群なのかなぁと思わせますねどちら側とも言えませんよ